男性と女性の着物の違い

 

男性と女性の着物の違いは大きく分けて3つあります。

 

おはしよりの有無


男性と女性の着物で一番大きな違いはおはしよりがあるか無いかです。

おはしよりとは、腰のあたりでたくしあげた部分をいいます。
こういう着方は女性用着物の特有です。
おはしよりをすることによって、胴のしわを隠し、腰の形を整えることができます。

この上に帯を締めますが、帯より下におはしよりが6〜7センチメートル出ると良いといわれています。

男性の着物の場合はこのおはしよりが無くつい丈で着ます。
 

身丈の目安

女性の着物の身丈の目安は身長と同じ長さ位が良いです。

肩から頭までの長さ(約25センチ)がおはしよりになります。

男性の着物の身丈の目安は肩から裾までの長さです。
ただし肩や腕に筋肉がついていたり鳩胸の方、お腹が大きく出ている方は少し長めに取ります。
そうしないと裾から足が見えて不細工になってしまいますので男性の身丈の取り方は難しいです。

女性の場合はおはしよりで調節できるため、多少長くても、逆に短くても着方次第でうまく着れます。
その分、着方を覚えないとなかなかうまく着られません。

男性の着物は肩から羽織って前を合わせるだけで着られるので着方は簡単です。
 

帯の位置

帯の位置も女性と男性で異なります。

帯の幅も違いますが、男性は腰骨の位置で締めるのに対して女性はウエストの位置で結びます。
位置的には男性の帯はおなかより少し下に合わせて締め、女性はおなかより上胸から下のあたりで締めます。
 

袖付の違い

女性の着物の袖付け部分は脇が開いていますが男性のきものは縫い閉じられています。
この脇が開いている部分を八つ口(身八つ口)と言います。

八つ口(身八つ口)がある理由は、日本の気候は多湿なので、着物にこもる熱や湿気を逃して体温調整するためです。

男性の着物は女性よりも胸のVゾーンが大きく開いていて熱がこもりにくく通気孔を開ける必要がないからです。




 

着物のサイズの割り出し方(女性編)


一昔前は、着物は全てオーダーメイドで仕立てていましたが、今では既製品が多く販売、レンタルされています。
自分のサイズを知っておけば、既製品の浴衣や着物を購入したりレンタルしたりする時に便利ですので覚えておくと良いと思います。

身丈(みたけ)

身丈は、と同じくらいの長さを目安に選びましょう。
例えば身長160cmの方でしたら160〜163cmの身丈の着物がベストです。
 

裄(ゆき)

裄は首のつけ根から手のくるぶしまでの長さです。
身長155cmくらいの人で66cm、160cm以上の人は68cmが目安です。(裄は大抵68cmが目いっぱいです)
 

袖丈(そでたけ)

袖丈は袖の上下の長さです。振袖等特殊な着物以外は大抵49cmです。
 

身幅(みはば)

身幅は着物の腰回りで、前幅と後幅があります。
前幅(着物の前半分の端から端まで)
後幅(着物の後ろ半分の端から端まで)

前幅と後幅はヒップのサイズから決めます。
着物の前身頃につける衽(おくみ)という布が15cm程度あるため、衽(おくみ)の幅も考慮して計算します。
以下の計算式で腰回りのサイズを測って自分にあったサイズの着物を選んでみてください。

前巾+後ろ巾+後ろ巾+衽=ヒップ

例えば前巾23cm+後ろ巾28.5cm+衽15cmの着物だと、23+28.5+28.5+15=95

ヒップが95くらいの人がピッタリあう計算になりますが、着物は着付次第でブラスマイナス3cm位の差はこしひもの締め方で調整できますので数字がぴったりでなくてもご安心ください。

サイズの合った着物は、着付けも楽で着姿もきれいになります。
着物をレンタルする際は、自分にあったサイズの着物を選びましょう。

着物のサイズの割り出し方(男性編)


男性の着物は女性の着物より短い

男性のほうが背が高いから着物の長さも長いと思う方がいらっしゃるかもしれませんが着物の長さは男性の方が短いのです。

なぜなら男性の着物にはおはしよりが無いからです。

身丈(みたけ)

男性の着物はおはしより部分が無いので身長から頭の部分の長さを引きます。
頭の長さは長い人短い人がいますが大人の男性でだいたい25cmと言われています。

ですので 『男性の着物の身丈=身長−25cm』 で計算します。

例えば身長175cmの方でしたら175-25で150cmがきものの身丈になります。

もしレンタルの着物を借りる場合や着物を誂える場合はこの式を覚えておきましょう。
 

裄(ゆき)

裄丈とは着物の中心から袖の一番端の部分の長さです。
通常、裄丈は首のつけ根から手のくるぶしまでの長さを計ります。

男性の場合は肩が張って手の長さも長いので、裄丈は70cm〜74cmくらい必要です。
ただ、今ネットショップなどで販売している舞台衣装などは女性用のため最大でも69cmで男性用着物に仕立てる場合、生地幅が足らずつんつるてんになってしまいがちです。

そういう場合は袖口や袖の付け根に生地を足してしまいます。衿裏の見えない部分の生地を足すことが多いです。
既製品の場合はキングサイズと言って男性用に幅の広い生地を使って仕立ててあります。
 

袖丈(そでたけ)

袖丈は袖の上から下までの長さです。
男性の場合は身長の割合から56cmくらいがバランスよく見えます。
 

身幅(みはば)

身幅は女性と同じ計算になります。


 


 

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